保育士の仕事をしていると、保護者対応が苦手だと感じる場面があります。
保護者と話すのが、少し怖い。
お迎えの時間が近づくと、なんだか胃が重くなる。
「また何か言われたらどうしよう」と考えてしまう。
そんなふうに感じている保育士は、あなただけではありません。
この記事では、保育士の保護者対応で大切なことを、現場での経験をもとにお伝えします。
結論からお伝えすると、保護者対応は全員に好かれるためのものではありません。
苦手な保護者がいてもおかしくありません。
相性もありますし、保護者にも家庭や仕事、育児の背景があります。
だからこそ、子どもを真ん中に置いた関わりを大切にしながら、困ったときは園全体で対応していいのです。
保護者対応は、ひとりで完璧にしようとしなくて大丈夫です。
私は保育士歴13年、2児の母です。
ブランク6年を経て、今はパート・フリーの立場で現場に戻りました。
保護者に挨拶を返してもらえなかった経験も、配膳ミスで保護者に謝罪した経験もあります。
きれいごとだけではなく、現場で感じたことも正直に書いていきます。
少しでも、明日からの保護者対応が軽くなるきっかけになればうれしいです。
- 保育士の保護者対応で大切なこと
- 保護者対応に疲れたと感じる理由
- 保護者との関わり方のコツ
- 保護者対応で失敗しやすい場面
- クレームを受けたときの考え方
- 新人・パート・フリー保育士の保護者対応
保育士が保護者対応に疲れたと感じる理由
保護者対応に疲れたと感じるのは、あなたが弱いからではありません。
保育士の保護者対応がしんどくなりやすいのは、相手が「子どもを預けている保護者」だからです。
子どものことになると、保護者の気持ちも強くなります。
保育士にとっては小さな出来事でも、家庭にとっては大きな不安になることがあります。
保育士もそれを受け止めようとするぶん、神経をつかいます。
さらに、保護者にもいろいろな考え方や事情があります。
仕事で疲れている人。
育児に余裕がない人。
初めての子育てで不安な人。
その日のお迎えのときに、たまたま余裕がないこともあります。
保育士が悪いわけでも、保護者が悪いわけでもありません。
ただ、お互いに余裕がない瞬間が重なると、関わりが難しくなることがあります。
そこに「ちゃんと対応しなきゃ」という気持ちが加わると、心がすり減っていきます。
保護者対応の悩みでよくあるのは、次のようなことです。
- 特定の保護者と話すのが怖い
- クレームを受けて落ち込む
- 苦手な保護者に挨拶を返してもらえない
- 何を話していいかわからない
- 自分の対応が正しいのか不安
どれも、まじめに向き合っているからこそ出てくる悩みです。
疲れたと感じている時点で、あなたはちゃんと向き合っています。
まずはそのことを、自分で認めてあげてください。
保育士の保護者対応で大切なこと
保育士の保護者対応で大切なことは、まず「子どもを真ん中に置くこと」です。
保護者と仲良くなることが目的ではありません。
保護者を言い負かすことでもありません。
子どもが家庭と園のどちらでも安心して過ごせるように、必要なことを共有する。
これが、保護者対応の土台です。
そのうえで、大切にしたい考え方を整理します。

全員に好かれようとしなくていい
保護者対応は、全員に好かれるためのものではありません。
私にも、明らかに自分にだけ態度がきついと感じる保護者がいました。
他の保育士とは笑顔で話しているのに、私には挨拶を返してもらえないこともありました。
その子は、友だちに手が出たり、噛みついてしまったりすることがあり、遅番の保育士が報告しなければいけない場面も多かったです。
その役回りが来るのは、正直かなりしんどかったです。
それでも、仕事として割り切り、笑顔での挨拶と必要な報告は続けました。
「お母さんも、仕事や育児で余裕がないのかもしれない」
そう背景を想像することで、自分の気持ちを保っていました。
同じ時期に、「先生が大好き」と言ってくれる親子もいました。
みんなに好かれなくてもいい。
でも、保育士として必要な関わりは続ける。
この線引きを持っておくだけでも、保護者対応をすべて自分のせいにしにくくなります。
苦手な保護者がいてもいい
苦手な保護者がいるのは、おかしいことではありません。
人と人なので、相性はあります。
苦手だと感じる自分を責めなくて大丈夫です。
大事なのは、苦手だからといって、挨拶や必要な報告をなくさないことです。
気持ちは別にして、やることはやる。
それで十分です。
無理に距離を縮めようとしなくても大丈夫です。
必要なことは園の方針として伝える
保護者から見ると当然のお願いでも、園全体で見ると対応が難しいことがあります。
たとえば、園で決まっている準備物や登園時のお願いも、家庭によっては「今日だけお願いしたい」と言われることがあります。
私も、週明けに保護者がお昼寝の布団カバーをつける園で働いていたとき、ある保護者から「時間がないので、つけておいてほしい」と頼まれたことがありました。
その場には、実際に布団カバーをつけている保護者もいました。
そのため、「急いでおられるところ申し訳ありません。みなさんにお願いしていることなので……」と伝えました。
すると、「優しくないんですね」と言われたことがあります。
その言葉は、正直かなり残りました。
でも、ひとつの家庭だけ特別に対応すると、他の保護者との公平性が保てなくなることもあります。
優しさは、何でも受け入れることだけではありません。
保育士個人の判断で受けるのではなく、園の方針として丁寧に伝えることも大切です。
「私はできません」ではなく、
「園としては、このようにお願いしています」と伝える。
この形にすると、保護者も保育士も、お互いに角が立ちにくくなります。
迷ったときは、自分だけで判断せず、主任や園長に確認してから伝えましょう。
保護者との関わり方のコツ
保護者との関わり方のコツは、特別な話し方を覚えることではありません。
子どもの姿をよく見て、必要なことをていねいに伝える。
保護者の頑張りにも、気づいたときに言葉で伝える。
その小さな積み重ねが、信頼関係につながります。
子どものかわいいエピソードを伝える
保育士が保護者に話しかけるときは、子どものかわいいエピソードを伝えるのがおすすめです。
無理に雑談を広げようとしなくても大丈夫です。
子どもを真ん中にすると、自然に会話が生まれます。
私がよくしていたのは、こんな伝え方です。
- 子どもがお出かけの話をしてくれたら「嬉しそうに教えてくれましたよ」と伝える
- 「お母さんが〇〇を作ってくれたって言っていましたよ」と伝える
- お友だちと遊んでいた姿や、面白かった言葉を伝える
ある日、子どもがアイドルの歌を歌っていたので、そのことを保護者に伝えたことがありました。
すると、「実は私がファンで、ライブにも行ったんです」と話してくれて、そこから会話が広がったことがあります。
保護者との会話に困ったら、その日の子どものいい姿をひとつ思い出す。
それだけで、最初の一言が出てきます。
子どものよい姿やかわいい姿を伝えることは、マニュアルだけでは作れない関係づくりにつながります。
保護者の頑張りに感謝を伝える
保護者対応では、お願いや報告だけでなく、感謝を伝えることも大切です。
保育園の持ち物を、いつもぬかりなく準備してくれる。
提出物を忘れずに出してくれる。
持ち物に名前を書いてくれる。
当たり前のように見えることでも、毎日続けるのは大変です。
私も、持ち物をいつもきちんと準備してくれる保護者には、できるだけ感謝を伝えるようにしていました。
- 「いつも準備してくださって、ありがとうございます」
- 「持ち物に名前を書いてくださっていて、助かります」
- 「提出物を早めに出してくださって、ありがとうございます」
保護者の頑張りを認める一言は、関係をやわらかくします。
注意やお願いを伝える前に、ありがとうを渡す。
この順番を意識するだけでも、保護者対応は少し変わります。
ケガや離乳食のことは、どの保護者にも共有する
保護者対応では、「お母さんだから」「お父さんだから」と決めつけないことも大切です。
子どもにケガをさせてしまい、お迎えがお母さんだったとき。
私は「お父さんにも直接お話ししたいのですが、今日はお父さんにも伝えていただいてもよろしいですか」と声をかけるようにしていました。
お母さんだけが育児をしているわけではありません。
保護者対応は「お母さん対応」ではなく、家庭全体への共有として考える。
この視点があると、伝え方が一方的になりにくいです。
お父さんがお迎えのときも同じです。
離乳食で試した食材など、必要な確認は普通にしていました。
お父さんがお迎えだから聞かない。
お母さんにだけ確認する。
そうではなく、必要なことはどの保護者にも共有・確認する。
公平に、ていねいに。
当たり前のようでいて、ここがぶれないことが信頼につながります。
保育士が保護者対応で失敗しやすい場面
保護者対応で失敗するのは、悪気があるからではありません。
子どものことを思って言った言葉が、保護者には別の意味で伝わってしまうことがあります。
事実は同じでも、言い方やタイミングで受け取り方は変わります。
ここでは、保育士が保護者対応で失敗しやすい場面を整理します。
良かれと思った一言が「責められた」と伝わる
子どものためを思って伝えた一言でも、保護者には責められたように聞こえることがあります。
以前、同僚が保護者に「もう少しお迎えを早くすることはできますか?」と伝えたことがありました。
その子はまだ赤ちゃんで、離乳食がなかなか進まず、日中も泣いている時間が長い子でした。
お昼寝も短く、園で過ごす時間が長いことが負担になっているように見えました。
同僚は、子どものことを思って伝えたのだと思います。
でも、保護者には「親として責められた」と伝わってしまい、関係がこじれてしまいました。
保護者の気持ちが追いついていないときは、正しい内容でも責められたように聞こえることがあります。
同じ内容でも、伝えるタイミング。
言葉の選び方。
誰が伝えるか。
それだけで、受け取られ方が大きく変わります。
もし伝えにくい内容があるときは、自分ひとりで言わず、主任や園長に相談してから伝える方が安心です。
その場で安易に約束してしまう
保護者からお願いをされたとき、その場で「大丈夫です」と答えたくなることがあります。
でも、すぐに約束してしまうと、あとから園全体で対応できずに困ることがあります。
たとえば、
- 特定の子だけ特別に見守る
- 特定の家庭だけ準備物を園で対応する
- 園のルールと違う対応をする
- 担任や主任に確認せず返事をする
こうした対応は、一度受けてしまうと、あとから断りにくくなります。
迷ったときは、その場で答えを出さなくて大丈夫です。
「確認してからお返事します」
「主任にも共有してからお伝えします」
この一言をはさむだけで、保育士も保護者も守られます。
保護者を責めるように聞こえる言葉を使ってしまう
保育士にそのつもりがなくても、保護者を責めるように聞こえる言葉があります。
たとえば、焦っているときほど、次のような言い方になりやすいです。
- 「家でも見てください」
- 「前にもお伝えしました」
- 「みんなできています」
- 「普通はこうです」
- 「お仕事が忙しいのは分かるんですけど」
どれも、言いたくなる場面はあるかもしれません。
でも、保護者に余裕がないときは、責められたように感じやすい言葉です。
伝えるなら、保護者を主語にしない言い方に変えるとやわらかくなります。
- 「園ではこのような様子があります」
- 「おうちではどうですか?」
- 「園としては、このように進めています」
- 「一緒に様子を見ていけたらと思います」
保護者を責めるのではなく、子どもの様子を一緒に確認する。
この形にすると、同じ内容でも伝わり方が変わります。
保護者からのクレーム対応で気をつけること
保護者からクレームを受けると、心がぐらつきます。
「私の対応が悪かったのかな」
「明日から顔を合わせづらいな」
「また何か言われたらどうしよう」
そう考えて、落ち込んでしまうこともありますよね。
でも、保護者からのクレーム対応で大切なのは、ひとりで抱え込まないことです。
事実を整理して、主任や園長に共有する。
園としてどう対応するかを確認する。
必要なことは、保育士個人ではなく園全体で伝える。
この流れを意識しておくと、自分を守りながら対応しやすくなります。

小さく見えるケガでも、家庭には大きいことがある
0歳児クラスで、友だちに顔を引っかかれてしまった子がいました。
傷は小さく見えたので、経緯と、防げなかったことへの謝罪をしました。
でも、家でその傷を見たお父さんが強く怒り、結果的に園長に伝わって、病院を受診することになりました。
主任には、ケガをしてすぐ伝えていました。
けれど、そのときは「よくあるケガ」としての対応になっていました。
あとから園長に報告すると、「なぜすぐ言わなかったのか」と言われ、報告する上司やルートのむずかしさを感じました。
この経験から学んだことは、次の4つです。
- 小さく見えるケガでも、保護者にとっては大きなことがある
- 迷ったら、早めに主任や園長へ共有する
- 園内の報告ルートがあいまいだと、現場が苦しくなる
- 保護者対応は、ひとりで判断しない
保育士にとっては日常の中で起きた小さなケガでも、保護者にとっては大切なわが子のケガです。
「たいしたことない」とこちらで決めず、早めに共有する。
それだけで、あとから大きなトラブルになるのを防ぎやすくなります。
ケガの報告は、順番を間違えない
私は、少しのケガでも、友だちとのトラブルだった場合は、傷を見せる前にまず謝るようにしていました。
申し訳ありません。
お友だちとの関わりの中で、ケガをさせてしまいました。
実際に見ていただけますか。
この順番で伝えると、多くの保護者は「全然、たいしたことないですよ」と言ってくれました。
もちろん、保護者がそう言ってくれたとしても、ケガが軽くなるわけではありません。
保護者がケガやトラブルの報告で知りたいのは、まず次のようなことです。
- いつ起きたのか
- どこをケガしたのか
- どんな状況だったのか
- 園ではどう対応したのか
- 相手の保護者にも伝えているのか
- これから気をつけることは何か
実際に、私も保護者の立場になってから、子どもがケガをして帰ってきたことがありました。
子どもから「友だちにやられた」と聞いたので、園に電話しようか迷いました。
でも、少し待ってみようと思っていたところ、担任の先生から電話がかかってきました。
ただ、その電話で最初に話されたのは、ケガのことではなく、子どものおもしろかった話でした。
普段ならうれしい話だったと思います。
でも、そのときは正直、「それより先に、ケガのことを聞きたい」と感じてしまいました。
そのあとで、子ども同士のやりとりの中で起きたこと、わが子も手が出ていたこと、相手の保護者にも伝えていたことを聞きました。
相手の保護者が申し訳なさそうにしていたことや、担任の先生の前で子どもに話をしていたことも教えてもらいました。
そこまで聞いて、やっと状況が分かりました。
保護者を和ませようとしてくれたのかもしれません。
でも、ケガやトラブルの報告では、たわいもない話より先に、まず事実と謝罪を伝える方が安心につながります。
ケガに大小はないという気持ちで向き合う。
先にきちんと謝る。
そのうえで、状況を落ち着いて伝える。
順番を変えるだけで、保護者の受け取り方は大きく変わります。
クレームで落ち込んだら、抱え込まない
保護者からのクレームを受けて落ち込んだとき、いちばん大事なのは、ひとりで抱え込まないことです。
クレームやトラブルは、園全体で対応するものです。
- 何が起きたのか
- 誰が見ていたのか
- 保護者には何を伝えたのか
- これから園としてどう対応するのか
このあたりを整理して、主任や園長に共有しましょう。
あなたひとりの責任ではありません。
落ち込む気持ちは、そのままで大丈夫です。
でも、対応は園全体で考えていい。
ここを忘れないでください。
保護者対応の負担をいつも個人任せにされる園なら、職場環境そのものを見直した方がいい場合もあります。
園の体制に違和感がある方は、ブラック保育園の特徴をまとめた記事も参考にしてみてください。
保護者とのLINE・SNSなどプライベートな距離感
保護者とのLINEやSNSの距離感に迷うこともあります。
「仲良くなった保護者ならいいのかな」
「卒園後なら連絡先を交換してもいいのかな」
「SNSを見つけられたら、どう返せばいいんだろう」
そんなふうに悩む保育士もいると思います。
結論から言うと、在園中は慎重にした方が安心です。
保護者と信頼関係を作ることは大切です。
でも、距離が近くなりすぎると、対応に迷う場面も出てきます。
在園中のLINEやSNSは慎重にする
保護者から「SNSを見つけたんだけど、フォローしていい?」と聞かれたことがあります。
そのとき私は、
「卒園してからなら大丈夫です」
と伝えて、その場はやんわりかわしました。
在園中に個人的なSNSでつながると、他の保護者から見た公平性にも関わります。
「この先生は、あの保護者とだけ仲がいい」
「個人的にやり取りしているのかな」
そんなふうに見られてしまうこともあります。
自分にそのつもりがなくても、まわりからどう見えるかは別です。
LINEやSNSは、園のルールを確認してから判断しましょう。
私生活の話は広がることがある
年長担任をしていたとき、卒園後に保護者主催の謝恩会へ参加したことがあります。
卒園後だったので、最後の集まりとして参加しました。
その場で、彼氏がいるのかなど、私生活について聞かれたことがあります。
何気なく答えたことが、後日、その場にいなかった保護者にも伝わっていました。
悪気があったわけではないと思います。
でも、保育士の私生活の話は、思ったより広がることがあります。
保護者と親しくなること自体が悪いわけではありません。
ただ、在園中はもちろん、卒園後であっても、自分が話していい範囲は考えておいた方が安心です。
卒園後のつながりは別で考える
卒園後に、保護者とあたたかいつながりが続くこともあります。
私自身も、卒園後に連絡先を交換した保護者がいました。
小学校の運動会を見に行ったり、年賀状をもらったりしたこともあります。
もうその子たちは成人しています。
卒園後のつながりは、在園中の保護者対応とは少し別です。
在園中は、子どもを預かる保育士と保護者という関係。
卒園後は、少し距離感が変わることもあります。
だからこそ、在園中は個人的に近づきすぎない。
園のルールを守る。
他の保護者から見た公平性も考える。
この3つを意識しておくと安心です。
保護者とのプライベートな距離感は、園の考え方によっても変わります。
迷ったときは、自分だけで判断せず、園のルールを確認してから対応しましょう。
在園中は慎重に。
ここだけ覚えておけば大丈夫です。
LINE交換やSNS、卒園後のつながりについては、保育士と保護者のプライベートな距離感をまとめた記事でくわしく解説しています。
保護者対応をひとりで抱え込まないために
ここまで読んで、いちばん伝えたいのは、保護者対応はひとりで抱え込まなくていいということです。
苦手な保護者がいる。
失敗してしまった。
クレームを受けた。
そんなときも、あなたひとりの責任ではありません。
保護者対応は、園全体で考えていいものです。
新人・1年目は、自己判断せずつなぐ
新人保育士や1年目の保育士は、保護者対応で何に気をつければいいのか不安になりますよね。
答えはシンプルです。
自己判断せず、担任・主任・園長につなぐこと。
新人時代、私は食事の配膳を間違えて、アレルギー対応が必要な子に、別の子の食事を配ってしまったことがありました。
幸いアレルギー反応は出ませんでしたが、保護者への説明が必要でした。
そのとき主任が、退勤時間を過ぎていたのに一緒に残ってくれて、すべての説明と謝罪をしてくれました。
失敗しても、ひとりで保護者の前に立たなくていい。
園全体で対応する。
あのときの主任の姿から、そう教わりました。
だから私は、後輩がミスをしたときは、自分も一緒に残るようになりました。
新人のうちは、すべてを自分で答えようとしなくて大丈夫です。
迷ったら、つなぐ。
それで十分です。
パート・フリー保育士は、ポジティブな話とつなぎ役を
パート保育士やフリー保育士は、どこまで保護者対応していいのか迷うことがあります。
今の私も、パート・フリーの立場です。
自分から保護者に話しかけるときは、基本的にポジティブな話を中心にしています。
その日の子どものいい姿を、ひとつ伝える。
かわいかった言葉や、頑張っていた姿を伝える。
それくらいが、ちょうどいい距離感だと感じています。
保護者から悩み相談をされたときは、やんわり受け止めつつ、担任につなぐようにしています。
たとえば、
- 「担任に話してみるのもいいですね」
- 「私からも担任に伝えておきましょうか」
- 「一緒に様子を見ていけるように、共有しておきますね」
こんなふうに伝えると、保護者の話を受け止めながら、担任にもつなげられます。
支援につながる大事なタイミングもあるので、なんでも「大丈夫ですよ」と流さないことも大切です。
受け止めて、つなぐ。
これが、パート・フリーの保護者対応の基本です。
支援が必要なときは、園全体で考える
保護者対応は、「話を聞く」だけで終わらないこともあります。
下の子が生まれたばかりで、上の子が荒れていた家庭がありました。
気になって保護者に声をかけたところ、お母さんが泣いてしまったことがあります。
私はそのことを主任に報告しました。
すると、下の子の一時保育をすすめてみようという話になり、お母さんがひとりの時間を作れるように、園全体で考える流れになりました。
保護者対応は、必要なときには支援につなげる入り口にもなります。
保育士が全部を背負うのではなく、気づいたことを園につなぐ。
それが、家庭を支えることにつながる場合もあります。
それでも守ってもらえないと感じたら
主任や園長に相談する。
園全体で対応してもらう。
それが本来の形です。
でも、相談しても園が動いてくれない。
保護者対応を、いつも個人任せにされる。
クレームがあっても、現場の先生だけで対応する空気がある。
そんな状態が続くなら、それは保育士個人の問題ではありません。
園の体制の問題です。
保護者対応だけでなく、保育士の人間関係や職場環境もしんどくなっているなら、働く環境を見直すことも選択肢のひとつです。
無理に転職をすすめたいわけではありません。
ただ、あなたを守ってくれない環境で、ひとり頑張り続ける必要はありません。
環境を変える選択も少し考えてみたいときは、自分に合う園を知ることから始めても大丈夫です。
保育士の保護者対応でよくある質問
ここでは、保育士の保護者対応で悩みやすいことをまとめます。
保育士の保護者対応で大切なことは何ですか?
保育士の保護者対応で大切なのは、子どもを真ん中に置くことです。
保護者と仲良くなることが目的ではなく、子どもが安心して過ごせるように、園での様子や必要なことを共有することが土台になります。
全員に好かれようとしなくて大丈夫です。
保護者対応が苦手なのは、保育士に向いていないからですか?
保護者対応が苦手でも、それだけで保育士に向いていないとは言えません。
相手は大切な子どもを預けている保護者です。
神経をつかうのは自然なことです。
苦手な保護者がいても、挨拶や必要な報告を続けられていれば十分です。
保護者に言ってはいけない言葉はありますか?
保護者を責めるように聞こえる言葉は、できるだけ避けたいです。
たとえば、「普通は」「みんなできています」「前にも言いました」などは、保護者を追い込んでしまうことがあります。
伝えるときは、「園ではこのような様子があります」「おうちではどうですか?」のように、子どもの様子を一緒に確認する形にすると伝わりやすくなります。
保護者からクレームを受けたらどうすればいいですか?
保護者からクレームを受けたら、ひとりで抱え込まないことが大切です。
何が起きたのか、誰が見ていたのか、保護者には何を伝えたのかを整理して、主任や園長に共有しましょう。
クレームやトラブルは、保育士ひとりではなく園全体で対応するものです。
新人保育士は保護者対応で何に気をつければいいですか?
新人保育士は、自己判断で答えないことが大切です。
分からないことや迷うことがあれば、「確認してからお伝えします」と伝えて、担任・主任・園長につなぎましょう。
新人のうちは、すべてを一人で答えようとしなくて大丈夫です。
パート保育士やフリー保育士は、どこまで保護者対応していいですか?
パート保育士やフリー保育士は、基本的には子どものよい姿やかわいいエピソードを伝えるくらいで十分です。
保護者から悩み相談をされたときは、やんわり受け止めたうえで、担任につなぎましょう。
「私からも担任に伝えておきますね」と言えると、保護者も安心しやすくなります。
保護者とLINEやSNSでつながってもいいですか?
在園中は慎重にした方が安心です。
個人的にLINEやSNSでつながると、他の保護者から見た公平性に関わることがあります。
園のルールを確認し、自分だけで判断しないようにしましょう。
まとめ:保護者対応はひとりで完璧にしなくていい
保護者対応は、全員に好かれるためのものではありません。
苦手な保護者がいても、おかしくありません。
相性もありますし、保護者にも家庭や仕事、育児の背景があります。
それでも、保育士として大切にしたいのは、子どもを真ん中に置いた関わりです。
この記事でお伝えしたことをまとめます。
- 保護者対応に疲れるのは、弱いからではない
- 保護者対応で大切なのは、子どもを真ん中に置くこと
- 苦手な保護者がいても、挨拶や必要な報告は続ける
- 子どものよい姿やかわいい姿を伝えると、会話が生まれやすい
- 保護者の頑張りにも、感謝を伝える
- ケガやトラブルの報告は、順番と共有が大切
- クレームや失敗は、ひとりで抱え込まない
- 新人・パート・フリー保育士は、担任や主任につなぐ意識を持つ
- LINEやSNSなど、プライベートな距離感は慎重に考える
保護者対応が苦手でも、いいんです。
みんなに好かれなくても、いいんです。
ただ、子どもを真ん中にした関わりだけは、大切にしてみてください。
困ったときは、ひとりで抱えず、園全体で対応していい。
それが、本来の保護者対応の形です。
明日のお迎えのとき、その日の子どものかわいい姿をひとつだけ伝えてみる。
そんな小さな一歩から、保護者対応は少しずつ楽になっていきます。
あなたは、もう十分がんばっています。

