保育士が子どもと同じ保育園で働く|2回経験した母子同園の本音

子どもと同じ保育園で働くメリット・デメリットを体験談で紹介する記事のアイキャッチ画像

自分の子どもを同じ保育園に預けて働くのは、正直どうなのか。

子どもが仕事中に泣いて離れなかったらどうしよう。後輩に気を遣わせてしまうんじゃないか。仕事と母親の切り替えができるのか。不安を挙げればきりがありません。

それでも私は2回、同じ園に子どもを預けて働くことを選びました。どちらもやってよかったと感じていますが、しんどかった場面も正直にあります。保育士歴13年・2児ママの私が、母子同園を2回経験して感じたことを書きます。

目次

【体験談】私が母子同園を2回選んだ理由

私は母子同園を2回経験しました。
母子同園とは、保育士が自分の子どもを自分の勤務先に預けながら働くことです。
園によってできるかどうかは違いますが、私は2回とも「それしか回らない」という現実的な理由から選びました。

1回目は育休明けの復帰でした。近くに頼れる親族がおらず、夫婦2人で送迎をやりくりしなければならない状況でした。職場と保育園が同じ場所になるのは、現実問題としてとても助かりました。職場まで歩いて通える距離だったこともあり、慌ただしい毎日の中でも子どもと一緒に通勤・登園できたのは、今ではいい思い出です。

2回目は、下の子が通っていた別の園の先生から声をかけてもらったのがきっかけ。子どもが卒園するまでの間、また母子同園で働くことになりました。自分から選んだというよりご縁でそうなった形でしたが、結果的にどちらも後悔はありません。

母子同園のメリット5つ|やってみて初めてわかったこと

通勤と送迎がまとめてできる

朝のバタバタした時間に、送迎と出勤が1回で済むのは地味に大きいです。私は職場まで歩いて通える距離だったので、子どもとお散歩がてら登園できました。

別の園に預けていた同僚はよく言っていました。早番のときは園の開園時間と出勤時間がかぶってしまうので家族の協力が必須、遅番のときは延長保育を使って閉園ギリギリの迎えになる。延長保育は数百円かかるので、1分超えただけでお金だけ取られたこともあると。母子同園だとこのやりくりがまるごとなくなります。

子どもの様子をこっそり確認できる

担当クラスは別でも、廊下からチラッと様子を見られるだけで安心感がまったく違います。それだけじゃなく、行事前の練習を見られるのも嬉しかったです。普通に働いていたら絶対に見ることができない姿です。卒園式は感動が薄れるかなと思っていましたが、全然そんなことはありませんでした。先生たちも「ちょっと見てきていいよ」と声をかけてくれることがあって、それがまたありがたかったです。

同僚に我が子をかわいがってもらえる

一緒に働く先生の子どもというのは、やっぱり少し気にかけてもらえます。遊んでいる場面だけでなく、叱られた場面も含めて教えてもらえると、親としてはありがたかったです。

家での悩みを相談できたのも大きかったです。子どものことをよく知っているのはどの保育園の先生も同じですが、私自身の性格まで知っている同僚に相談できるのは母子同園ならではでした。同じく母子同園で働く先輩に話を聞いてもらえたこともあって、一緒に育ててもらっている感覚がすごく大きかったです。

体調不良のときにすぐ動ける

子どもが発熱したとき、担任の先生が主任や園長に先に報告してくれていて、私が気づいたときにはもう「フリーの先生入れるから帰っていいよ」と言ってもらえていました。自分から言い出す前に周りが動いてくれる。これは同じ園にいるからこそです。感染症の場合は園としても早く帰ってほしい事情があるので、スピーディーに対応してもらえたのだと思います。別の園に預けていたら、連絡を受けてから職場を抜けるまでのやりとりだけでもひと手間かかります。

子どもの行事を仕事をしながら見られる

運動会や発表会で「ちょっと抜けて見てきていいよ」と言ってもらえることがあります。有給を使わずにいい場所から見られたのはありがたかったです。ただ、親子競技は夫に出てもらいましたし、スマホで撮影もできなかったので、そこは割り切りが必要です。

母子同園のデメリット4つ|正直に書く

正直に書きます。

  • 後輩に気を遣わせてしまう
  • 子どもが小さいうちは切り替えが難しい
  • 内部の人間だからこそ見えてしまうものがある
  • 子どもだけ預けて自分だけ休むのは言い出しにくい

後輩に気を遣わせてしまう

育休明けで復帰する場合、先輩の子どもを担任するのは後輩にとってプレッシャーになります。新人の先生に我が子を担当してもらったとき、気を遣わせているなと感じて申し訳なかったです。どうしようもない部分でもありますが、頭には入れておいた方がいいです。

子どもが小さいうちは切り替えが難しい

まだ小さい子どもにとって、保育園にいるママは「保育士」ではなく「ママ」です。他の子を抱っこしているのを見てヤキモチを妬いたり、仕事中なのに離れられなかったりする場面も出てきます。子ども自身が切り替えられるようになるまでは、親としてもしんどい時期があります。

内部の人間だからこそ見えてすぎてしまうものがある

同じ職場にいる立場なので、保護者としては知らなくていい内部事情が見えてしまうことがあります。子ども同士のいざこざはまだいいんです。そこに親同士のトラブルが絡んでくると話が変わってきます。さらにそれが自分の子どもの同級生の家庭同士だったとき、しかももともと仲のよかった家庭同士だったときは、職員としても親としても板挟みになります。この境界線がしんどいと感じる人もいると思います。

子どもだけ預けて自分だけ休むのは言い出しにくい

子どもを登園させておいて、自分はリフレッシュのために有給を取るとはなかなか言い出しにくいと感じる人は多いと思います。ただこれは子どもの年齢と園の雰囲気によってかなり変わります。2回目の母子同園では「どんどん休んでいいよ」という雰囲気だったので、そこまで気になりませんでした。働く前に有給の取りやすさや子どもの登園についての園の考え方を確認しておくと安心です。

保育士の本音|自分の園に預けたくないと感じる人もいる

「気を遣うし残業もしづらい」という気持ちは、経験した立場としてよくわかります。最終的に別の園に転園させた同僚もいたし、シフトが終わった瞬間に子どもを連れて帰らないといけないから身動きが取りにくいと話していた人もいました。

それから、職員という立場だとママ友と深い関係を築きにくい感覚もあります。反対にいざこざに巻き込まれることも少ないので、これをメリットと取るかデメリットと取るかは人によります。

合わないと感じたら、別の園を選ぶ方がいい場合もある

「なんとなく不安」ではなく、はっきり「自分には合わない」と感じるなら、別の園を選ぶ方がお互いにとってよい場合があります。子どもが環境に慣れるまで時間がかかるタイプだったり、仕事とプライベートをきっちり分けたいと感じているなら、無理に同じ園にする必要はありません。母子同園が合う人もいれば、合わない人もいる。それだけのことです。

母子同園でうまくやるために私が決めていた3つのこと

母子同園がうまくいくかどうかは、働く環境だけでなく自分の意識の持ち方にもかかっていると感じました。私が自分なりに決めていたことが3つあります。

他の家庭と同じように園のルールを守る

自分が保育士だからといって特別扱いを期待しない。たとえば登園時間。自分のシフトが遅いからといって子どもの登園も遅くするのは、他の先生からよく思われません。連絡帳の書き方、持ち物のルール、お迎えの時間も同じです。保護者として求められることを他の家庭と同じようにきちんと守るだけで、周りの見る目はだいぶ変わります。

子どものトラブルに神経質になりすぎない

保育士として日常的にケガやトラブルの現実を知っているからこそ、我が子のことになると過剰に反応しそうになる場面がありました。「保育士として働いている以上、ある程度は受け入れる」と最初から決めておくと、気持ちがだいぶ楽になります。

仕事中はなるべく自分から子どもに近寄らない

子どもが同じ空間にいるとき、親としてつい近づきたくなります。でも仕事中はなるべく自分からは近寄らないようにしていました。どうしても離れられないときは、他の子も一緒に遊べるようにして親子だけの時間にならないよう気をつけていました。この線引きが、周りの先生への配慮にもつながります。

母子同園、私はやってよかった

2回経験してみて、どちらも「やってよかった」と感じています。

大変だった場面もあったし、保育士だからこそ葛藤することもありました。でも通勤と送迎がまとめてできる毎日のラクさや、子どもの行事前の練習を見られたこと、同僚に一緒に育ててもらっている感覚は、やってみないとわからないものでした。

同じ園に預けるか別の園にするか、どちらが正解かは人によって違います。ただ「なんとなく不安だから」という理由だけで選択肢から外すのは、もったいないと実際に経験して感じています。

もし母子同園OKの求人も気になるなら、転職サイトで条件をしぼって見ておくと探しやすいです。
保育士向けの転職サイトについては、別の記事でまとめています。
保育士の転職サイトはどこがいい?悩み別におすすめを紹介

よくある質問

勤務中に子どもが離れてくれなかったらどうすればいいですか?

完全にゼロにはできません。私自身、仕事中に泣き叫んで離れてくれなかったことがありました。そのときは他の子も交えて一緒に遊べるようにして、親子だけの時間にならないよう気をつけながら対応しました。周りの先生が協力してくれる環境であれば、時間が経つにつれて子どもも慣れていきます。子どもが小さいうちは割り切れない場面もありますが、成長とともに落ち着いてくることがほとんどです。

他の保護者に職員だと知らせた方がいいですか?

知らせた方がいいと思います。
後から中途半端に伝わるより、最初に自分から伝えた方が気持ちが楽でした。
私は2回目の母子同園のとき、クラス懇談会や保護者のお話会で毎回「ここで働いています」と自己紹介していました。年中・年長になると子どもたちがおうちで話すので、どうせ伝わります。それなら最初から自分から言った方がいい。積極的に保護者に話しかけるようにしたら、声をかけてくれる方も増えました。

ただ、知らせる以上は自分の子どもに必要以上に近づかない、ひいきと思われない振る舞いを意識することが前提です。後ろ指を指されないようにしてこそ、オープンにしている意味があります。

母子同園に向いていない人はどんな人ですか?

周りの目が気になりやすい人には、しんどい場面が多くなりやすいです。どんなにポジティブな性格でも、子どもが自分のところから離れられず泣き叫んでいるときは申し訳ない気持ちになります。そこに耐えられるかどうかが正直なところ肝だと思います。

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