「保育士を辞める理由、嘘をついてもいいのかな」
そう検索したあなたは、たぶん本当のことを言えない状況にいます。人間関係がしんどい。園長のやり方についていけない。もう心が限界。でも、それをそのまま伝えたら気まずくなる。かといって嘘をついて、後からバレたらと思うと怖い。
結論から言うと、嘘をつく必要はありません。ただし、本音を全部話す必要もありません。

退職理由には「整えて伝える」という第三の選択肢があります。
保育士歴13年、正職員として2つの園を辞めた私が、実際に園長へ伝えた言葉と、ケース別の例文を紹介します。

保育士の退職理由に嘘は必要ない
退職理由は「正直に全部話す」か「嘘をつく」かの二択ではありません。事実の中から、相手が受け取りやすいものを選んで伝えれば十分です。
本音を全部話す必要もない
退職理由を聞かれると、どこまで話せばいいのか迷いますよね。全部正直に話さなければいけないような気がしてしまう。
でも、退職理由を伝える場は、あなたの本音を報告する場ではありません。
辞める意思を伝えて、話を前に進めるための場です。
たとえば園長のパワハラが理由だったとして、「園長にパワハラを受けたので辞めます」と伝えたらどうなるか。「そんなつもりはなかった」「あなたにも問題があった」と反論され、退職の話ではなく、パワハラがあったかどうかの話し合いになる可能性があります。
園に改善を求めたいなら、本音を伝えることにも意味があります。でも、あなたの目的が辞めることなら、すべてを説明する必要はありません。あなたが望んでいるのは、退職の意思を伝えて、話を前に進めることのはずです。
本音を言わないことと、嘘をつくことは違います。言わない自由は、あなたの側にあります。
嘘ではなく「整えて伝える」でいい
大切なのは、事実を消すことではありません。相手が受け取りやすい言葉に置き換えることです。
「人間関係がつらかった」は事実でも、「職場環境が自分に合わなかった」と言い換えれば嘘にはなりません。「給料が安すぎる」も事実ですが、「今後の働き方を見直したい」と伝えれば、責める形になりません。
どちらも、あなたが実際に感じていることの一部です。そこから、いま伝えるのにふさわしい一面を選んでいるだけ。これが「整えて伝える」ということです。
嘘は、事実ではない話を作ることです。介護が必要だと言う。遠くに引っ越すと言う。実際には存在しない事情を持ち出した瞬間、話を合わせ続ける必要が出てきます。整えて伝えるなら、その必要はありません。
保育士の退職理由|ケース別の例文
ここからは、よくある8つのケースごとに例文を紹介します。あなたの状況に近いものを探して、そのまま使ってください。

そのまま伝えることが間違いなわけではありません。

ここでは、退職の話をできるだけこじらせずに進めたい場合の伝え方として紹介します。
どのケースにも共通するのは、退職理由を「相手を責める形」にしないことです。責める形になると、話し合いが必要な議題になってしまいます。
人間関係がつらいとき
保育士が辞めたいと感じるきっかけのひとつが、人間関係です。お局保育士に目をつけられた、特定の先生が幅をきかせていて居場所がない、園長との関係がうまくいかない。
「〇〇先生とうまくいかないので辞めます」
「園長のやり方に納得できません」
これを伝えると、相手を責める言い方になります。誰が悪かったのかという話が始まって、退職の話が進まなくなることがあります。
整えて伝えるなら、「人」ではなく「環境」に主語を置き換えてください。
「働く中で、自分に合った環境について考えるようになりました。今の職場では心身の負担が大きく、このまま続けるのが難しいと感じたため、退職を決めました」
短く伝えるなら
「職場環境が自分に合わず、心身の負担が大きくなってきたため、退職を決めました」
「合わなかった」は、誰のせいでもない言い方です。嘘ではありません。実際に合わなかったのだから。
精神的に限界のとき
眠れない。休みの日も職場のことを考えてしまう。出勤前に涙が出る。もう限界だと感じているなら、無理に説明を尽くす必要はありません。
「精神的に限界です」
「もう耐えられません」
伝わりますが、心配された結果「少し休んでから考えたら」と引き止められることがあります。休職を提案されて、話が長引くこともあります。
整えて伝えるなら、限界であることと、退職を決めていることをセットにしてください。
「心身の負担が続いており、今の働き方を続けることが難しいと判断しました。一度仕事を離れて休養したいと考えているため、退職させていただきたいです」
短く伝えるなら
「心身の負担が続いていて、勤務を続けることが難しいため、退職を決めました」
精神的な限界を、嘘の家庭の事情に置き換える必要はありません。「今の働き方を続けられない」は、それだけで十分な理由です。
体調不良のとき
体調不良は、相手が強く引き止めにくい理由のひとつです。重い病名を出したり、詳しく説明したりする必要はありません。
「体調が悪くて」
これだけだと「休んでから決めたら」と言われやすくなります。
整えて伝えるなら、今の勤務を続けるのが難しい状態だと伝えてください。
「体調面に不安があり、このまま勤務を続けることが難しいと感じています。しっかり休養したいと考え、退職を決めました」
短く伝えるなら
「体調面に不安があり、今の勤務を続けるのが難しいため、退職を決めました」
病名や症状を細かく説明する必要はありません。実際に通院している場合も、どこまで伝えるかは自分で決めて大丈夫です。
仕事量・残業がつらいとき
行事の準備、持ち帰り仕事、書類、会議。定時で帰れる日がない。それでも「仕事が多すぎて無理です」とそのまま伝えると、不満だけが強く残ります。
「仕事量が多すぎて続けられません」
「残業が多すぎます」
長く勤めた園ほど、「今まで我慢していたの?」という空気になることがあります。
整えて伝えるなら、働き方を見直したいという方向に置き換えてください。
「働き方について考える中で、今の勤務を続けることが難しいと感じるようになりました。体力面や生活との両立も含めて見直したく、退職を決めました」
短く伝えるなら
「今の働き方を続けることが難しくなり、生活との両立を見直したいと考え、退職を決めました」
給料・待遇に納得できないとき
給料が上がらない、仕事量に見合っていない、同じ業務なのに雇用形態で待遇が違う。正当な不満です。
「この給料では続けられません」
「仕事量に対して待遇が見合っていません」
伝わりますが、待遇の話は交渉の余地がある話題です。相手が「改善できるかもしれない」と受け取ると、退職の話から条件交渉の話に変わっていきます。
実際、私の後輩にそういう人がいました。
臨時職員なのに、担当している仕事は正職員とほとんど変わらない。その状況に納得がいかなくて、園長に本音を伝えて辞めたいと申し出たそうです。
結果、引き止められて正職員になりました。本音を伝えたことで、状況が変わった例です。
ただ、その話は園内に広まりました。園長が上の先生たちに軽く愚痴ったようで、私を含む中堅以上の先生の耳に入っていました。「そんなこと言った人聞いたことないよね」と話している人もいた。真面目に仕事をする後輩だったので嫌味を言われることはありませんでしたが、伝えた内容が本人の知らないところで話題になっていたのは事実です。
だから、待遇への不満をどう扱うかは、あなたが何を望んでいるかで変わります。
改善してほしいなら、伝える価値があります。でも、もう辞めると決めているなら、交渉の余地を残さない伝え方をしたほうが話が早く進みます。
「今後の働き方や生活のことを考える中で、勤務の続け方を見直したいと思うようになりました。いろいろ考えた結果、退職を決めました」
短く伝えるなら
「今後の働き方を見直したいと考え、退職を決めました」
待遇に触れずに伝えても、嘘にはなりません。給料への不満も、働き方を見直したい気持ちの一部だからです。
家庭の事情があるとき
家庭の事情は、退職理由として伝えやすく、角も立ちにくいです。子育て、家族の介護、生活リズムの見直し。詳しく説明しなくても、相手は納得しやすい。
だからこそ、注意してほしいことがあります。
実際にはない家庭の事情を作らないでください。
「親の介護が必要になった」「家族で引っ越すことになった」。これらは後から事実と違うことが分かる嘘です。そして、この種の嘘は、あとから話が合わなくなることがあります。理由は次の章で書きます。
今あるものの中から選べば十分です。子どもが小さい、実家が遠くて頼れない、家族の生活時間が合わない。大きな事情を探す必要はありません。

実際に生活との両立で負担になっていることがあれば、その事実を伝えれば十分です。
「家庭の状況が変わり、今の勤務形態を続けることが難しくなりました。家族と話し合った結果、生活を優先して見直したいと考え、退職を決めました」
短く伝えるなら
「家庭の事情で、今の勤務を続けることが難しくなったため、退職を決めました」
「家族と話し合った結果」という言葉には力があります。あなた一人の迷いではなく、家庭として決めたことになるからです。
保育観が合わないとき
園の方針に違和感がある。やりたい保育ができない。この理由は、そのまま伝えると相手を否定する形になりやすいです。
「この園の保育のやり方に納得できません」
園の方針を否定する言い方になると、その方針で働いている人にも「自分たちの保育を否定された」と受け取られることがあります。退職の話がこじれるだけでなく、残る人が気まずくなる。
整えて伝えるなら、園ではなく自分に主語を置いてください。
「働く中で、自分が大切にしたい保育について改めて考えるようになりました。今後の働き方を見直したい気持ちが強くなり、退職を決めました」
短く伝えるなら
「自分の保育観や今後の働き方を見直したいと考え、退職を決めました」
年度途中で辞めたいとき
年度途中の退職は、理由よりも「言い出せない」ことのほうが重いと思います。担任を持っている、子どもたちがいる、同僚に迷惑がかかる。分かっているから言えない。
でも、あなたが倒れてから辞めるより、動けるうちに伝えるほうが園にとっても対応しやすいです。年度末まで何とか続けようとして、つらそうに働いていた人を私も見てきました。
伝えるときのコツは、迷っている感じを出さないことです。
「年度途中で申し訳ないのですが、辞めたいと思っていて…」
語尾を濁すと、相談として受け取られます。「もう少し様子を見よう」と言われて、話が保留になることがあります。
整えて伝えるなら、謝罪と決定をはっきり分けてください。
「年度の途中でご迷惑をおかけすることは承知しています。ただ、今の状態では年度末まで勤務を続けることが難しいと判断しました。退職させていただきたいと考えています」
短く伝えるなら
「今の状態では勤務の継続が難しく、年度途中ではありますが退職させていただきたいです」
申し訳ないという気持ちは、伝えて構いません。ただ、その気持ちと「辞める」という結論は分けて伝えてください。謝罪だけが前に出ると、引き止める余地があるように受け取られます。
保育士の退職理由で嘘をつくとどうなる?
嘘をついて辞めることは、できます。実際にそうして辞めた人を私も知っています。ただ、思っているより長く続く面倒があります。
保育の世界は思っているより狭い
同じ市内、同じ区内で働いていると、研修や交流会で前の園の関係者と顔を合わせることがあります。園長同士が知り合いだったり、養成校が同じだったりもする。
私自身、今のパート先の面接で、履歴書を見た園長から「あの幼稚園にいたの? この前園長先生に会ったよ」と言われました。何年も前に辞めた園の話です。
つまり、辞めたあとも接点が完全になくなるわけではありません。「遠くに引っ越す」「もう保育の仕事はしない」といった嘘は、この狭さの中では残りやすいです。
嘘をつくなら話を合わせ続ける必要がある
嘘をつくなら、関わる全員に同じ話をし続けることになります。園長にも、主任にも、同期にも。辞めたあと連絡を取る相手がいるなら、その先もずっとです。
私は10年勤めた園を辞めるとき、同期にも退職理由を統一しました。嘘をついたわけではなく、伝える内容を全員に揃えたということです。
仲が良くても、その同期はこれからもその職場で働いていく人たちです。私が職場への不満を強く話せば、その人たちが働きにくくなる。それは避けたかった。だから誰に対しても同じ内容を伝えました。
事実を整えて伝えるなら、内容を揃えるのはそれほど負担になりません。嘘の場合は、聞かれるたびに設定を思い出す必要があります。
嘘で辞めた後輩を見て感じたこと
私がかわいがっていた後輩に、嘘の理由で辞めた人がいます。
介護が必要になった、実家のみんなで引っ越すことになった。そういう理由でした。辞めると決めたとき、わざわざ個別に話しに来てくれて、私も「そんな理由ならしょうがないね」と納得して送り出しました。年度末の送別会もありました。
数か月後、近所の保育園にいるという噂を聞きました。
やっぱり嘘だったのか、と思いました。でも、腹は立ちませんでした。
先に浮かんだのは、自分への引っかかりでした。私には正直に話してくれてもよかったのに、そう思ってもらえなかった。話しやすい先輩のつもりでいたけれど、そうではなかったんだな、と。
それから、少しほっとした気持ちもありました。保育士という仕事そのものを嫌いになって辞めたわけじゃなかった。近くの園で、まだ保育士を続けている。それが分かって、よかったと思いました。
職員の間では「嘘だったんだね」「嘘つかなくても辞められるのに」と話題になっていました。近い園だから研修で顔を合わせることもあるだろうに、気まずくないのかな、とも。
でも、私が本当に思ったのはそこではありません。
なぜ彼女は、嘘をつかないと辞められないと思ったんだろう。
たぶん、本当のことを言ったら止められると思ったんです。あるいは、辞める理由を細かく問われるのが嫌だった。介護や引っ越しなら、誰も反論できないから。
嘘をつく人が悪いのではなく、嘘をつかないと辞められないと思わせる空気のほうに問題があります。
ただ、それでもあなたには嘘をついてほしくない。本当の理由を全部話さなくても、辞めることはできるからです。次に、私が実際にどう伝えたかを書きます。
私が10年勤めた園を辞めたときの話
私も、本当の退職理由をすべて話したわけではありません。でも、嘘はつきませんでした。
本当の理由は言わなかった
10年勤めた保育園を辞めた本当の理由は、園の保育のあり方に、やりがいを感じられなくなったことでした。
現場はとても大変で、みんなが「いかにケガをさせずに降園させるか」に重きを置くようになっていました。命を預かっている以上、子どもの安全を守ることは欠かせません。それは分かっています。
ただ、子どもがのびのび過ごせるようにという方向より、ケガをしたときに「見ていなかった」と言われないための見守りに近づいていた。監視員みたいだな、と思う日が増えました。自分が親になったことで、その違和感はさらに強くなりました。
これは、園長に伝える必要のない理由でした。
伝えたところで、園の保育を否定することになる。その保育をしてきた同僚たちのことも否定してしまう。そして何より、私はそれを伝えて園を変えたいわけではありませんでした。もう辞めると決めていたので、保育方針について話し合っても、退職の話は進みません。
だから言いませんでした。嘘をついたのではなく、言わなかっただけです。
実際に園長へ伝えた言葉
代わりに伝えたのは、子育てとの両立が難しくなったことでした。
実際に、私はこう言いました。
「子育てとフルタイム勤務の両立は最初は出来ると思っていたのですが、いざやってみると体力的にもきつくて。夫と長い間話し合ってきたんですが、もう少し子育てが落ち着いたらまた保育の仕事ができるかなと思うので、今は子育てに専念しようということで、家族で話し合って決めました」
全部、本当のことです。
実家が遠くて頼れる人がいない。早朝勤務も遅番もある。会議で遅くなり帰宅すると子どもはもう寝ている日もある。夫も夜や土日に勤務がある。体力は本当に限界でした。産休・育休から復帰して、両立の大変さを実際に味わったうえでの話です。
嘘はひとつもありません。ただ、話す内容を選びました。
引き止められませんでした。「また働きたくなったらまず連絡して」と言ってもらえました。退職後も関係は円満で、担任していたクラスの子どもたちの運動会も卒園式も見に行けました。
9月に、誰よりも先に伝えた
もうひとつ、意識したことがあります。伝える時期です。

私が退職の意思を伝えたのは9月でした。
その時期を選んだのは、保育士養成校に求人票が出るのが9月以降だと知っていたからです。自分が学生のとき、9月を過ぎたころから学校に求人票が掲示されていた記憶がありました。園が次年度の人員を考え始める前に伝えたかった。
園では11月から12月にかけて園長との面談があって、そこで進退を伝える人も多かったです。でも面談に呼ばれる順番は分かりません。だから面談を待たずに、まずは主任に、その後に自分から園長室に行きました。
その年は、私を含めて5〜6人が辞めました。
私は最初に伝えたので、すぐに話を聞いてもらえて、そのまま納得してもらえました。でも後のほうに伝えた人は「あなたも!?」という空気になって、話しづらかったと聞きました。
同じ理由でも、伝える順番で受け取られ方が変わります。
引き止められにくい退職理由の伝え方
絶対に引き止められない「最強の退職理由」はありません。家庭の事情でも体調不良でも、園から「働き方を変えれば続けられない?」と提案されることはあります。
引き止められにくくするために大切なのは、理由の強さよりも、相談ではなく退職を決めていると伝わる話し方です。

迷っている素振りを見せない
同じ理由でも、語尾ひとつで受け取られ方が変わります。
「辞めようか迷っていて…」
→ 相談として受け取られます
「退職を決めました」
→ 報告として受け取られます
迷っていると伝えれば、相手は迷いを解こうとします。それが引き止めです。悪意ではなく、相談されたから答えているだけのことも多いです。
心が決まっているなら、決まった形で伝えてください。
理由をひとつに絞って短く伝える
理由をたくさん並べると、話が長くなるほど反論の余地が増えます。
「人間関係もつらくて、体力的にも限界で、給料のことも考えると…」
こう伝えると、相手はいちばん解決できそうなものを拾います。「クラスを変えれば?」「時短にしたら?」と、ひとつずつ提案が返ってくる。
理由は、いちばん受け入れられやすいものをひとつだけ選んでください。

補足が必要なときだけ、一言添える程度で十分です。
短く伝えるほど、話は前に進みます。
退職を伝える時期と順番を選ぶ
伝える時期は、就業規則を先に確認してください。「退職の1か月前まで」「3か月前まで」など、園によって決まりがあります。
そのうえで、園が次年度の人員を考え始める時期を意識すると、話が進みやすくなります。
順番も同じです。年度末は複数人が辞めることがあります。早めに伝えたほうが、園の受け止め方に余裕があります。
伝える相手は、主任に先に話してから園長に伝える流れが自然です。園によって体制は違うので、日ごろの報告ルートに合わせてください。
引き止められたら「一度持ち帰る」
引き止められたとき、その場で押し切ろうとすると空気が悪くなります。かといって「考えます」と曖昧に答えると、話が振り出しに戻ります。
有効なのが、一度持ち帰る形です。
「いったん家族と話し合ってきます」
こう言って、その場を終わらせる。心が決まっていても構いません。

相手の提案を受け止めた形になるので、角が立ちません。
そして後日、こう伝えます。
「話し合ったのですが、やっぱり退職させていただきたいです」
家族で話し合っても結論が変わらなかったと伝えることで、すでに決めているという意思も伝わりやすくなります。私の同僚も、この形で退職の話を進めていました。
一度持ち帰るのは、迷っているからではありません。相手の提案を一度受け止めたうえで、それでも結論は変わらなかったと伝えるための時間です。
保育士の退職理由に関するよくある質問
「最強の退職理由」や「引き止められない理由」など、よく検索されている疑問に答えます。どれも、嘘をつかなくても答えは出ます。
退職理由として最強なのは何ですか?
すべての園で通用する「最強の退職理由」はありません。同じ理由でも、園の状況や伝え方によって受け取られ方が変わります。
引き止められにくいという意味では、体調不良や家庭の事情は相手が反論しにくい理由です。ただ、実際にはない理由を作る必要はありません。
理由の強さを探すより、迷っている素振りを見せずに伝えるほうが、話は前に進みます。
引き止められない退職理由はありますか?
どんな理由でも、引き止められることはあります。体調不良なら「休職してみたら」、家庭の事情なら「時短勤務にできないか」と提案が返ってくることもあります。
大切なのは、引き止められたあとの対応です。その場で押し切ろうとせず、「いったん家族と話し合ってきます」と一度持ち帰る。後日「話し合いましたが、やはり退職させていただきたいです」と伝える。
相手の提案を受け止めたうえで結論が変わらなかったと示すことで、意思が固いことが伝わります。
退職理由に嘘をついたらバレますか?
保育の世界は狭く、研修や交流会で前の園の関係者と顔を合わせることがあります。園長同士が知り合いのケースもあります。
私の後輩にも、介護と引っ越しを理由に辞めたあと、近くの園で働いていることが分かった人がいました。
必ずバレるわけではありません。ただ、あとから事実と違うことが分かれば、前の職場の人と顔を合わせたときに気まずさが残ることはあります。
退職理由に嘘をつくのは違法ですか?
退職するために、詳しい理由を用意する必要はありません。
期間の定めのない雇用では、民法627条1項で、労働者はいつでも解約の申入れができ、申入れから2週間で雇用契約が終了すると定められています。
そのため、「辞めるには園が納得する理由を伝えなければ」と考えて、嘘の事情を作る必要はありません。本当の理由をすべて話したくないなら、言わないという選択もできます。
保育士の退職理由で家庭の事情はありですか?
ありです。家庭の事情は角が立ちにくく、詳しく説明を求められにくい理由です。
ただし「親の介護が必要になった」「遠くに引っ越す」など、事実と違う事情を作るのは避けてください。あとから話が合わなくなることがあります。
子どもが小さい、実家が遠くて頼れない、家族と生活時間が合わない。今あるものの中から選べば十分です。
保育士を辞めた人はどんな仕事をしていますか?
保育の仕事を続ける人もいれば、離れる人もいます。私自身は、10年勤めた園を辞めて6年のブランクを経てから、パートとして保育士に戻りました。
辞めたあとの選択肢は、辞めてから考えても遅くありません。今は、目の前の「どう伝えるか」だけ考えれば十分です。
まとめ:保育士の退職理由は嘘ではなく整えて伝えればいい
退職理由に嘘をつく必要はありません。本音を全部話す必要もありません。事実の中から、いま伝えるのにふさわしいものを選べば十分です。
私は10年勤めた園を辞めるとき、本当の理由は話しませんでした。でも、嘘もつきませんでした。話す内容を選んだだけです。それで円満に辞められましたし、辞めたあとも子どもたちの運動会や卒園式に行くことができました。
言いたくないことは、言わなくていい。まずは、あなたが伝えられる理由をひとつ決めるところから始めてみてください。
理由は決まったけれど、いつ誰にどう切り出せばいいか迷っているなら、保育士が退職を言いづらいときの伝え方も参考にしてください。
転職の面接で退職理由を聞かれたときは、園に伝える理由とは分けて考えて大丈夫です。面接での答え方と例文は別の記事にまとめています。

