「朝になると体が動かない」
「子どもにイライラしてしまって、そんな自分が嫌になる」
そう思いながら、今日も仕事に向かっていませんか。
そのしんどさ、おかしくないです。
私は新卒で幼稚園に就職し、園長のパワハラでパニック障害になり、1か月で退職しました。※これは私個人の体験です。
だからこそ今は、ストレスが限界に近いとき、どんなサインが出るのかがわかります。
この記事では、保育士がストレスで限界になるときのサイン、原因、そして私がやってみてよかった対処法を書いています。
「転職しろ」と急かすつもりはありません。ただ、今の自分の状態を一度、冷静に見てみてください。
保育士のストレスが限界に近いときのサイン
出勤前に体が重い、眠れない、食欲がない。ストレスの限界サインは、気分より先に体に出ることが多いです。じわじわと、気づかないうちに近づいてきます。
私が新卒で入った幼稚園を辞めたのは、入職からわずか1か月のこと。辞める直前まで、毎日仕事に行きたくなくてしょうがありませんでした。それでも当時の私は、『慣れていないだけ』『もう少し頑張れば落ち着く』と自分に言い聞かせていました。しんどいことはわかっていたのに、それが”限界のサイン”だとは思っていなかったのです。
ある朝、突然過呼吸のようになって、涙が止まらなくなりました。前日まで、自分でもまったく気づいていなかったのに。その日を境に、園へ行けなくなりました。
サインは、じつはそれより前から出ていました。

どれかひとつでも思い当たるなら、それはすでにサインです。とくに、眠れない日や食欲のない日が続いているなら、体はもう限界を訴えています。
保育士は「子どものために動き続けること」が当たり前の仕事です。だから自分の体や気持ちのSOSを、無意識に後回しにしてしまいます。
私がそうだったように、気づいたときにはもう動けない、ということになりかねません。
「まだ大丈夫」という言葉が出てきたとき。その「まだ」が、一番危ういタイミングです。
保育士がストレスをためやすい2つの理由
保育士という仕事の構造自体に、ストレスがたまりやすい理由があります。大きく分けると、「人手のギリギリさ」と「笑顔でいることに疲れてしまうこと」の2つです。
「しんどいのは自分が弱いから」と思ってしまいがちですが、それは違います。
人手不足のなかで回る毎日
0歳児クラスの配置基準は、子ども3人に対して保育士1人。国が定めた最低ラインです。つまり現場の多くは、このギリギリの人数で回っています。
3人同時に泣き始めたとき。同時におむつ替えが必要になったとき。「今どの子を優先すべきか」と頭をフル回転させても、それでも手が足りない瞬間が必ず来ます。私自身、そういう場面を何度も経験しました。
トイレに行く時間すらない、というのも誇張ではありません。午前中ずっと我慢して、昼休みにようやく行けるのが当たり前。しかも当時は、それを「しょうがない」と思っていました。今なら、あの頃がおかしかったとわかります。
※配置基準は少しずつ見直しが進んでいて、2025年度からは1歳児の基準も6対1から5対1へと改善が始まっています。ただ、0歳児の3対1という数字は長年変わっていません。「基準の中で頑張るしかない」という現場の感覚は、今も大きくは変わっていないと思います。

笑顔でいることに疲れてしまう
もうひとつ、見落とされがちなのが感情を使い続けることの消耗です。
子どもの前では笑顔。保護者対応では慎重な言葉選び。職場の人間関係でも、空気を読む立ち回り。感情を外に出さずに抑え続けることが、保育士には毎日求められています。
家に帰っても気持ちが切り替えられない。何もしたくなくて、ぼーっとしてしまう。それは怠けているのではなく、感情を使いすぎた体が限界を訴えているだけです。
「自分が弱いから」ではなく、「弱くなるような環境にいる」という可能性を頭に置いておいてください。
子どもにイライラするのはダメな保育士?
子どもへのイライラが止まらなくなるのは、ストレスが限界に近づいているサインでもあります。
寝かしつけのとき、やっと眠りかけた1人が泣き出して、つられて全員起きた瞬間。心の中で「もー!!」と叫んだことは、一度や二度ではありません。手づかみでカレーを食べたばかりの手で服をぺたぺた触られて、思わずため息をついたこともあります。他害のある子が別の子を噛んで、保護者に謝るのは私なのに、と気持ちがざわついたこともありました。
全部、実際にあった話です。
ただ、落ち着いてから振り返ると、「あの子は眠くて泣いていただけだったんだな」「手が汚れているのは夢中で食べていた証拠だったんだな」と見え方が変わることがありました。余裕があるときなら、もう少し違う受け止め方ができたのかもしれません。
それでも体が疲れているとき、余裕がないときは、頭でわかっていても気持ちがついてこないんですよね。
そしてイライラは、子どもに伝わります。敏感に空気を読む子ほど、こちらの感情を感じ取って距離を置くようになります。うまく関われないまま日が経って、ある日別の保育士がすっとその子の隣に座って笑顔を引き出しているのを見たとき、胸にずんと重いものが落ちてくる感覚がありました。
だからといって、「イライラしてはいけない」という話ではありません。
大事なのは、イライラしたときにどう対処するかです。私がやってみてよかったのは、その子の背景を少し想像することでした。
この子にも、帰りを待っている家族がいる。保護者にとって、かけがえのない子ども。
そう思うと、不思議と気持ちが落ち着いてきました。
それでも無理なときは、すんなり引いて別の保育士に代わってもらいます。それが一番その子のためになると、経験から学びました。
保育士のストレスがつらいときの対処法
自分に合う対処法かどうかは、いま自分がどのしんどさに近いのかを知ることから始まります。
「対処法」と聞くと、何か特別なことをしなければいけない気がしますよね。でも私がやってきたのは、もっと地味なことばかりです。
抱え込まずに人に頼る
ひとつめは、抱え込まないこと。前の章でも書いたように、どうしても関われないときは別の保育士に代わってもらいます。それが子どものためにも、自分のためにもなります。
「頼ったら迷惑」と感じるかもしれませんが、余裕のない状態のまま子どもの前に立ち続けるほうが、結果的に子どもにも自分にも負担がかかります。
仕事以外の時間をつくる
ふたつめは、定時で帰る日をつくること。残業が当たり前になっていた時期、思い切って早く帰り、夜に友人とごはんに行ってみました。保育と関係ない話をして笑って帰るだけで、翌朝の気持ちがちがいました。
仕事以外の時間を意図的につくることが、保育士には一番後回しになりやすいからこそ、意識して確保する価値があります。
子どものいたずらを遊びに変える
遊びの工夫も助けになりました。子どもが壁に落書きを始めたとき、「やめて」と止める代わりに「じゃあ大きな紙に全身で描こう」と遊びに変えてみたことがあります。子どもは大喜びで、私も笑えました。力を抜いて子どもの流れに乗るほうが、ストレスがたまっているときほど楽でした。
ただ正直に言うと、これらの対処法には前提があります。子どもの対応を代わってくれる保育士がいること。定時で帰れる雰囲気があること。どれも、職場に最低限の余裕がないと成立しません。
「対処法を試したけど無理だった」という場合、あなたのやり方が悪いのではなく、そもそも対処できる環境ではない可能性があります。
とくに、しんどさの原因が園長や同僚からのハラスメントにある場合は、園の外にも相談できる場所があります。保育士がパワハラを無料で相談できる窓口と選び方にまとめているので、参考にしてください。
対処法が効かないときは、受診も選択肢
セルフケアでどうにもならないほど心や体に症状が出ているなら、心療内科や精神科の受診も選択肢に入れてください。
私が心療内科を受診したのは、過呼吸で園に行けなくなってから1週間以内のことでした。ふとした時に涙が出る。こんな不安感は、今までの人生で感じたことがない。この違和感は精神的なものだと自分でも分かったので、迷いはありませんでした。実家に帰り、母に送迎と付き添いをしてもらって受診しました。
そこで初めて、パニック障害という診断がつきました。
今でも覚えているのは、「仕事をやめたらよくなると思いますよ」と、先生がにっこり言ってくれたことです。診断がついて、治る見通しを言葉にしてもらえて、すごく安心したのを覚えています。気持ちを落ち着ける薬も処方されましたが、「必要なければ飲まなくていい」と言われ、お守り代わりに持ち歩いていました。結局、一度も飲まないまま過ごせました。私のように、薬をほとんど使わずに回復していくケースもあります。
私はそのまま診断書を書いてもらい、退職の手続きに進みました。※これは私個人の体験です。診断や治療の内容は人によって異なります。
眠れない日が続く、動悸が止まらない、涙が出る。そんな状態が続いているなら、それは「気の持ちよう」ではなく、受診していいサインです。診断書があれば、休職や退職の手続きを進めるときの支えにもなります。休職できるかどうかは園の規定によるので、就業規則や園の事務担当に確認してみてください。
休むことも、辞めることも、逃げではありません。自分を回復させるための、立派な対処のひとつです。
ストレスが限界なら環境を変えてもいい
「辞めたい」と思うことと、実際に辞めることは別の話です。でも、環境を変えることを選択肢に入れておくだけで、気持ちがだいぶ楽になることがあります。
私が認可保育園に転職して変わったことのひとつは、シフト制になったことでした。早番の日は、16時前に退勤。夜には友人とごはんにも行けます。それだけのことが、当時の私にはとても大きな変化でした。
乳児クラスは複数担任だったので、ひとりで抱え込まなくてよくなりました。困ったことを相談できる人が隣にいるだけで、同じ大変さでも受け止め方がちがってきます。
ただ、複数担任は相手次第で、しんどさが増える場合もあります。実際に私の同期や後輩が、担任同士の相性が原因で辞めていくのを見てきました。環境を変えれば必ずよくなる、とまでは言い切れません。
それでも、今いる場所でどう頑張るかだけを考え続けるより、「他の選択肢を知っておく」ことは自分を守るためにも必要だと思っています。転職を決断するかどうかは、情報を集めてから考えれば十分です。
新卒で「もう辞めたい」と感じている場合は、新卒1か月で退職した私のその後と辞めたあとの働き方も参考にしてください。
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まず求人数の多さで選択肢を広げたいなら【レバウェル保育士】、保育士のストレスでよくある質問
ストレスで悩む保育士のよくある質問をまとめました。
ダメな保育士の特徴は何ですか?
子どもにイライラするだけなら、ダメな保育士とは言えません。私自身、寝かしつけで全員に泣かれて「もー!!」と思ったことは何度もあります。
問題になるのは、イライラを子どもにぶつけてしまうこと、そしてそれを「仕方ない」で終わらせてしまうことです。裏を返せば、イライラした自分を振り返って「これでよかったのかな」と考えられている時点で、子どもに向き合えている証拠です。この記事を検索して読んでいること自体が、その表れだと思います。
ストレスがやばいときのサインは何ですか?
仕事のことを考えただけで体が反応し始めたら要注意です。出勤前の動悸、朝起きられない、休日も気持ちが切り替えられない。「気持ちの問題」にとどまらず、体がすでに限界を訴えているサインです。
生理的に無理だと感じる子がいるとき、どうしたらいい?
正直に言うと、そう感じてしまうことは誰にでもあります。私も、合わないと感じる子はいました。ただ「無理」で止めてしまうより、なぜそう感じるのかを少し考えると楽になることがあります。その子の背景や家庭環境を想像してみるだけで、気持ちが変わることもあります。どうしても無理なときは、別の保育士に代わってもらうのも立派な対処法です。
まとめ:ストレスが限界なら立ち止まっていい
ストレスが限界に近いとき、体は必ずサインを出しています。出勤前の動悸、朝起きられない、子どもへのイライラが止まらない。それはあなたが弱いのではなく、弱くなるような環境にいるからです。
対処法を試しても楽にならないなら、今いる環境自体を見直す時期かもしれません。転職を決めなくても大丈夫です。ただ、他の選択肢を知っておくだけで、気持ちの余裕がちがってきます。
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